バーチャルオフィスでAmazonの特商法表記義務をクリアする方法と注意点

バーチャルオフィス
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こんにちは、たうよです!

 

Amazonでセラーアカウントを登録する際に必ずしなければいけないことの1つ

 

それは!

 

特定商取引法に基づいて事業所・事業者の住所・氏名・電話番号を表記することです。

特定商取引法とは
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。

特定商取引法ガイドラインより抜粋

この法律を基に、多くのネットショップやメルマガなどでは事業者の氏名住所などを表記することが義務付けられています。

 

オンラインビジネスを始める際には店舗がないわけですから、
何かトラブルが起きた際などには消費者の利益を守るためにも
責任の所在を明らかにしておく必要があるということですね。

 

Amazonの規約におきましても

「特定商取引法(特商法)及びその他の法令に基づく表示」

という項目に

インターネットを通じて商品等を販売する販売業者は、法令(特定商取引法を含むが、これに限られません)に基づき、販売業者、販売する商品、及び取引条件等に関して、特定の事項を表示することが義務付けられています

また、出品されている商品によっては、法令上、許認可の取得、登録又は届け出を行い、それを表示することが義務付けられています。

当サイトでは、出品者の皆様に適用ある法令を遵守していただくよう、また、お客様に当サイトで安心して商品をご購入いただけるよう、

(1) 大口出品者及び法人の出品者の皆様、並びに継続的に繰り返し出品されている個人出品者の皆様には、特定商取引法において義務付けられている事項の表示を、また、

(2) 法令上出品している商品に必要な許認可、登録又は届け出については、該当する許認可番号、登録番号、届け出番号等の表示をお願いしています。

Amazon規約より抜粋(2022年5月の情報です。)

 

とあり、ほとんどの出品者は以下の事項の表示が義務付けられています。

 

販売業者名
:大口・法人出品者:登記簿上の名称
:個人出品者: 戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号
お問い合わせ先電話番号: 消費者からの問い合わせ対応等のための電話番号
住所: 現に事業活動をしている住所(私書箱等は不可)。建物の名前や部屋番号等も正確に表示する必要があります。また、個人出品者についても、事業所の所在地を表示する必要があります。事業を行っている場所が自宅である場合でも、例外ではありません。
運営責任者名: 出品に関する業務の責任者の戸籍上の氏名(法人の場合、法人を代表する権限を有する者でなくても可)
店舗名: 当サイトにおける出品者の店舗名
許認可情報: 法令上表示が義務付けられている許認可/登録/届け出の種類と許認可/登録/届け出番号

Amazon規約より抜粋(2022年5月の情報です。)

上記6項目について表記しなければなりません。

 

7月追記:Amazonの特商法に関するプログラムポリシーが更新されます。詳細はコチラ

 

消費者の目線から言えば、何か問題があった際に連絡できるところがなければ
安心して注文することはできませんよね。

ですが、私のような事務所を持たずに小規模、副業でAmazon販売を行なっている身としては

自宅の住所や個人の電話番号

を表記することになりますので、少なからずリスクを含んでいます。。

 

特に最近では個人情報の流出によるトラブルも数多く起きていますね。

・ストーカートラブル
・悪質な業者からの連絡
・振り込め詐欺
・迷惑メール etc…..

それに伴い、改正個人情報保護法が今年4月より施行されたばかりですが、その法律は我々事業者の責務を定めているものであり、事業者の個人情報を守るものではありません。

 

また、Amazon販売で個人情報を表記するリスクとしては

 

・同業者、購入者からの嫌がらせを受ける可能性
・会社に副業がバレる
・プライベートの電話に問い合わせなどがかかってきてしまう

 

などといったリスクがあります。

さらにこうしたリスクは

同居している家族全員が負っている

ということも忘れてはいけません。

 

 

そこで、今回みなさんにお伝えしたいのは

 

事務所を持たない個人事業主でも、バーチャルオフィスを活用することで、自宅住所などの個人情報を表記することなく、特商法の表記義務をクリアする方法です。

 

 

バーチャルオフィスとは

 

バーチャルオフィスとは
いわば「仮想の事務所」のことです。

「仮想の事務所」というと、イメージが湧きにくいですが

実在の住所

を自分の事業所の住所として使うことができるサービスです。

 

よく似たサービスとして

レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペース

などもありますが、別物です。

 

それらは現実に事業活動を行うスペースを借りることがその目的ですが、

近年の在宅ワークなどの広がりにより、オフィスへの依存度が減り、物理的なオフィスの
必要性も減ってきているといえます。

バーチャルオフィスは、

実際に事業活動を行う場所とは別に、事業用の住所を取得することがその目的となります。

 

近年、在宅ワークなどの広がりにより、オフィスへの依存度が減り、物理的なオフィスの
必要性が減ってきているといえます。

 

これによって、取引先に自分の住所を公開する必要がなくなりますし、住所によっては、より信頼性の高い住所を取得できたり、事業用の銀行口座の開設などにも利用することができます。

 

また、

・電話FAX転送サービス
・郵便物転送サービス
・会議室の利用

 

など、様々なサービスが各社から提供されていますので、
契約した住所を仲介して取引先からの問い合わせや、
商品の受け取りなどに対応することも可能です。

 

バーチャルオフィスと特商法の関係

 

では、バーチャルオフィスをネットショップの住所として表記しておくことは
特商法上、また規約上問題はないのでしょうか。

 

特商法上の解釈

特定商取引法ガイドによると

特定商取引法に基づき広告に表示することとされている住所及び電話番号は、事業を行う上で、トラブルが生じた場合や消費者から問合せがある場合の対応等に備えるためのものです。

そのため、「住所」については現に活動している住所、「電話番号」については確実に連絡が取れる番号を表示する必要がありますが、以下のような措置が講じられ、住所及び電話番号について上記の要件が満たされる場合においては、通信販売の取引の場を提供するプラットフォーム事業者やバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示することによっても、特定商取引法の要請を満たすものと考えられます。

①個人事業者がプラットフォーム事業者の住所及び電話番号を表示する場合、当該個人事業者の通信販売に係る取引の活動が、当該プラットフォーム事業者の提供するプラットフォーム上で行われること

②個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィスの住所及び電話番号が、当該個人事業者が通信販売に係る取引を行う際の連絡先としての機能を果たすことについて、当該個人事業者と当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者との間で合意がなされていること

③個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者は、当該個人事業者の現住所及び本人名義の電話番号を把握しており、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者と当該個人事業者との間で確実に連絡が取れる状態となっていること

ただし、個人事業者、プラットフォーム事業者又はバーチャルオフィス運営事業者のいずれかが不誠実であり、消費者から連絡が取れないなどの事態が発生する場合には、特定商取引法上の表示義務を果たしたことにはなりません

引用:特定商取引法ガイドQ&A

とあります。

 

 

Amazon物販を例にとって考えてみると

 

①については

Amazonというプラットフォームを通じて取引をしているので問題はありませんね。

 

②については

まず各プラットフォームの規約が重要になってきます。

もう一度Amazon規約及びガイドラインを参照すると、
表記が義務付けられているのは

 

お問い合わせ先電話番号: 消費者からの問い合わせ対応等のための電話番号
住所:現に事業活動をしている住所(私書箱等は不可)

 

となっています。

では、バーチャルオフィスは事業活動をしている住所にあたるのでしょうか。

 

せどりの場合、実際に商品梱包したり、発送をしたりするのは自宅になります。

ですので、バーチャルオフィスの住所では事業活動の実態はないとも言えるし

郵便物などの転送サービスを利用していれば、その住所を一度仲介していることになるので
事業活動をしているともいえてしまいます。

いずれにしても、はっきりした事業活動の定義がここにない以上、解釈次第でどちらも言えてしまうので、判断に困るところです。

 

それならば確かめてみましょう。

 

Amazonに問い合わせをしてみました。

 

こちらが回答の全文となります。

 

Amazonテクニカルサポートにお問い合わせいただきありがとうございます。

お問い合わせいただきました事業活動をしている住所についてご案内いたします。

本来であれば事業活動をしている実際の住所記載をお願いしておりますが、
あくまでも特定商取引法の法律に則った 情報登録をお願いしているものとなります為、
違法ではない住所であればAmazonで登録いただいて問題はございません

ご案内は以上となります。
今後とも、Amazon.co.jpをよろしくお願いいたします。

Amazonテクニカルサポートのメールより引用

 

違法ではない住所とは…

 

かなりざっくりした返答が返ってきましたが、バーチャルオフィスで貸出している住所が違法だったら利用する人はいませんよね。

ということで

Amazonというプラットフォームではバーチャルオフィスの住所を自宅住所の代わりに登録することを認めていることがわかりました。

 

最後に③については

Amazonのセラーアカウントの登録の際に必要となる住所及び電話番号のことですね。こちらはガイドラインにあるように現住所及び本人名義の電話番号を登録していれば問題ないはずです。

 

以上からAmazon販売においては自宅住所の代わりに、バーチャルオフィスの住所を表記することが特商法上の表記義務及び規約を満たしていることがわかりました。

 

注意事項

ただし、ここで注意すべき点があります。

それは以下の3点です。

 

1つ目は、事業所の住所(自宅住所)の開示請求があった場合には速やかに応じる旨を表記しておく必要があることです。

 

特商法の11条をよく読むと

ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。

とあります。

すなわち

・情報開示の請求があれば、速やかに応じる準備がしてあること

・また、その準備があることを表記しておくこと

が必要なのです。

 

具体的には、店舗情報などに但し書きとして、

※記載の販売者情報は当社の契約店舗のものです。ご請求時には販売者情報を遅滞なく開示いたします。

というような記載を挿入しておけばOKです。

 

 

 

2つ目はバーチャルオフィスの住所が活用できないケースについてです

先の項で説明した通り、Amazonセラーの登録の際はバーチャルオフィスのものではない、現住所や本人名義の電話番号が必要となってきます。

また、それに加えて許認可(届出・登録・認可・許可・免許の5つ)を得る際にも事業の実態がある住所が必要となります。

この場合もバーチャルオフィスの住所などの登録が認められない可能性が高いです。

その中でも中古せどりをやっていて必要なのは、そう

古物商許可証

ですね。

こちらは中古品の物販をする上でほぼ必須となってきますが、盗品の流通管理という性質上この取得にはきちんと事業活動の実態がある住所の登録が必要となる可能性が高いです。

また一般派遣業や建設業、出張型の飲食業、税理士や司法書士などの士業、不動産業なども同様に注意が必要です。

許認可に関しては、予め行政書士に相談するなど、時間をかけて取り組む必要があること、全てがバーチャルオフィスで完結するわけではないということはご理解ください。

 

3つ目は、プラットフォーム毎に確認する必要があることです。

今回はAmazonを例にとって説明をしました。

 

ですが、

 

当然プラットフォームによって解釈、規約は異なります。

Amazonで大丈夫だからといって
楽天市場やYahoo!ショッピングなど他のプラットフォームでも大丈夫だとは限りません。

必ず個別に確認をするようにしてください。

 

バーチャルオフィスの選び方

バーチャルオフィス市場も年々大きくなり続け、大手会社なども
どんどんと参入し続けています。

コロナ禍や働き方改革によって副業人口が急激に増加しているからです。

それでは、私たちが大量にある会社を選ぶ際、何を基準にするべきでしょうか。

私が考えるバーチャルオフィス選びに重要な要素は

 

・価格
・住所の信頼性
・住所との距離
・サービスの独自性
・顧客の質
・将来性

の6つです。

これらに関して、詳しくはこちらの記事で解説していきますので、お読みください。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

・オンラインビジネスにおいて住所氏名電話番号を表記することはほぼマストであること
・事務所を持たない事業者にとって、自宅などの個人情報を表記するのはリスクがあること
・バーチャルオフィスと契約すれば、販売店の住所として、自宅の代わりに表記ができること
・Amazonではバーチャルオフィスの住所を表記することが認められていること
・ただし、以下の3点に注意
①個人情報の開示請求がなされた場合、応じる旨を記載すること
②古物商許可証などバーチャルオフィスの住所の使用が認められないケースもあること
③プラットフォームごとに規約をしっかり確認すること

 

をお伝えしてまいりました。

TAUYO BLOG.では家族の笑顔を増やすという理念から、
事業者だけでなく家族のプライバシーリスクをできるだけ少なくしたいと考えます。

バーチャルオフィスをうまく活用することでそのリスクを減らしたり、
各会社のオプション、サービスで事業をさらに大きく展開できる可能性も秘めています。

もし、この記事を参考にリスクを減らして、安心してビジネスに取り組めるようになった、という方がいらっしゃれば幸いです。

たうよでした。それでは!

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